【電話・郵便・FAX】フリーアドレスの受取あるある
まずここでは電話や郵便、FAXにおけるフリーアドレスあるあるを紹介します。
電話近くの席がガラガラ
フリーアドレスを機にオフィスの形態が変わったとしても、固定電話が残っている企業も多くあるでしょう。その場合、「電話近くの席がガラガラ」ということが起こります。電話の近くに座ると、どうしても周辺の人が取らなければいけないといった暗黙のルールがあることから「電話を取りたくないから避けよう」と、電話近くの席が不人気になることもあります。
参考記事:フリーアドレスで電話をスムーズに取り次ぐには在席管理システムがおすすめ
取次で時間がかかり顧客に影響
電話近くの席を当番制にしたり電話担当者を決めたりすると座席問題は解決します。しかし、フリーアドレスで次に立ちはだかるのが電話の取次に時間がかかる点です。電話がかかってきた人がどこに座っているかわからず探し回るうち、顧客を待たせてしまうというシーンも見られます。
従業員が固定電話を使わない
フリーアドレスになると固定電話でなく、社用携帯や従業員の各自のスマートフォンを使うといったケースも見られます。「固定電話まで電話をかけに行くのが面倒」と感じ、社内で配られている社用携帯を重宝し固定電話が避けられがちになる傾向が。また、社用携帯がない場合は自分のスマートフォンを使うこともあるようです。
また、郵便物においてもフリーアドレスで誰も取りに行かず放置されるといった光景が目立ちます。さらに、FAXにおいても担当者を決めていない場合、1日に数回程度しか見られることがなく「必要な資料の確認が遅れる」といった懸念点もあげられます。フリーアドレスではモノの管理が難しい点が課題です。
フリーアドレスの取次問題解消法
ここからはフリーアドレスの電話や郵便、FAXの取次問題について、具体的な解消法を紹介します。
郵便物は担当者や郵便受けを確保
まず、郵便物は受け取りの担当者や専門の郵便受けを確保しておきましょう。例えば、オフィスの1階まで郵便物を取りに行かなければいけない場合、担当を決めないと、取りに行く手間が敬遠されます。このケースでは出社する時に総務担当者が郵便物を持ってくる。 また、外回りの営業担当者が帰社した時にポストから取ってくる等々、担当者や置き場所を確保しましょう。
フリーアドレスの郵便物については下記でも詳しくご紹介しています。
参考記事:フリーアドレスで郵便物をスムーズに受け取る方法とは?
社用携帯で連絡を取りやすい環境に
固定電話の取り次ぎで課題を抱える場合は、社用携帯で連絡を取りやすい環境を整えましょう。社内の連絡方法が固定電話のみの場合、固定電話をかけるのが煩わしいと感じます。営業担当者や事務の一部の責任者などに社用携帯を投入し、固定電話以外で連絡を取りやすい環境作りも大切です。さらに、社用携帯で外部との連絡も取れると、フロントエンドの従業員はより利便性が高まるでしょう。
座席管理システムの導入
フリーアドレスで「人を探す」という問題を解決するには、座席管理システムを導入する方法もあります。従業員が自分で席を予約し、誰がどこにいるかを明確にすることで電話の取り次ぎやすさを改善したり、人を探す手間を省けます。また、座席管理システムのランダム機能を使うと「電話の前の席がガラガラ」といった問題も防止可能です。席の偏りを防ぐために、座席管理システムは効果を発揮するでしょう。
社内はチャットツールのみにとどめる
思い切った選択肢ですが、社内のコミュニケーションをチャットツールのみに留める方法もあります。新たに社用電話を導入する場合はコストや従業員でのレクチャーで手間がかかります。しかし、チャットツールを導入すれば直感的に使えるため、取り入れやすいでしょう。また、電話と比較していつでも気兼ねなくメッセージを送れる点が大きなメリットです。
一般的に、チャットツールの利用料金は人数により費用が異なります。しかし、いずれも無料で試せる期間が設けられているため、まずはフリープランで活用してみるのも一つの手です。
固定電話やFAXがないと危険?
フリーアドレスで課題となる電話の取次問題は、思い切って固定電話をなくしてしまう方法もあります。しかし、これまで固定電話に対応できた企業の場合、廃止後のイメージがわからず戸惑うこともあるでしょう。ここでは固定電話をなくした場合の懸念点を解消します。
営業担当者の社用番号を伝えると問題ない
企業から固定電話をなくしても営業担当者の社用番号があればコミュニケーションはスムーズです。固定電話への着信が顧客からのものの場合、営業担当者と直接コミュニケーションをとってもらうと社内で取りつぐ必要がありません。また、顧客視点で見ても、営業担当者とダイレクトにコミュニケーションが取れるため効率的でしょう。
ただし、営業担当者の社用番号を伝えると時間を問わず顧客から連絡が来るといった課題も発生します。あるいは打合せ等で電話に出られないと、誰かに伝言というわけにはいかず、何度もかけなおす手間を相手にかけることにもなります。これまで固定電話が当たり前だった場合、移行には十分な告知期間など補完手段を設けましょう。
お問い合わせ専用ダイヤルを外部に委託
もしも商品やサービスに関するお問い合わせの電話が多い場合は、お問い合わせ専用ダイヤルを外部委託するという方法もあります。とくに、大規模な会社の場合はおすすめの選択肢です。しかし、会社の規模等によっては、費用面などでとりにくい選択肢かもしれません。
FAXのあり方を見直す
電話とあわせて注目したいのがFAXのあり方です。電話と合わせてFAXの受信も誰が担当するのかと課題になりがちです。この場合、FAXをペーパーレスにする方法も有効です。ペーパーレスのFAXとは紙で出力するのではなく、パソコンをはじめとしたデバイスで受信したデータを確認できたり保存できたりする仕組みです。そのため、FAXを取りに所定の場所まで行く手間を軽減できます。
フリーアドレスの効果を最大限引き出すためにできること
すでにフリーアドレスを導入している企業の場合、今回紹介した電話やFAX郵便などの課題を解決すると、より効果的な運用が叶います。最後に、フリーアドレスの効果を最大限引き出すための4つのポイントを紹介します。
事前調査で従業員の需要を知る
フリーアドレスは導入前の事前調査が肝心です。すでに導入されている場合は、従業員の意見を聞きながら進めているかと思いますが、不満を抱えている従業員のヒアリングは不可欠です。導入してからも定期的に従業員の意見を聞きながら改善活動が欠かせないでしょう。
とくに、フリーアドレスに際して備品の用意は従業員の意見を聞く必要があります。従業員が私物を持たずにフリーアドレスで働けるよう「何が必要か」「どこに必要か」といった意見を聞きながら、備品の導入を行いましょう。
運用ルールを取り決める
フリーアドレスで現在課題を抱えている場合は運用ルールを取り決める方法も有効です。例えば、電話の取り次ぎを当番制にしたり座席を予約する時は同じ席を数日間続けて使わないなど、ルールを設けることで課題の解決ができます。
また、フリーアドレスでは多くの人が同じ机を使用するため、整理整頓や後の人を考えた机の使用が不可欠です。従業員に対して再度マナーのアナウンスも欠かせないでしょう。
システムを導入する際は、実際に導入してみなければわからない点も多くあります。そのため座席管理システムをはじめとしたシステムを導入する際は、ベンダーに相談してみるのもおすすめの選択肢です。
セキュリティ面でのルール
フリーアドレスでは情報や持ち物の管理が問われます。そのため、従業員に対してセキュリティ面での指導も必要です。例えば、席から離れる時のパソコンの扱い方。書類を置きっぱなしにしない、書類は間違えないように名前を確認してから置く。などといったルールの設定が欠かせません。自由だからこそ、ルールの設定が重要になるでしょう。
業務内容と照らし合わせて実行可能かを確認
フリーアドレスで不都合が生じている場合、業務内容にフリーアドレスが適しているかも確認してみましょう。例えば、紙の資料が多い場合、座席の移動ごとに多くの書類を持ち歩く必要があります。また、固定電話での通話量が多い業務の場合もフリーアドレスは簡単ではないかもしれません。フリーアドレスをきっかけにペーパーレスを推進したり、従業員の働きやすさを考えたりする環境整備も進めましょう。
まとめ
フリーアドレスは電話や郵便、FAXなどデータでない「モノ」の扱いに悩みます。ペーパーレスを推進したりツールを活用したりすることで課題を解決できます。
近年は企業のあり方も大きく変わっており、固定電話を持たない企業やチャットでメインツールとする企業が増加しています。各企業がその手法で問題なければ、一般的な常識にとらわれる必要もありません。
「これまでのやり方」にこだわらず、従業員の働きやすい環境づくりを行っていきましょう。フリーアドレスの成功は企業にとって大きなメリットをもたらします。