フリーアドレスには意味がある!
フリーアドレスを導入する企業が増えたものの、まだまだ馴染みのない業界からは「本当に意味があるの?」と捉えられる可能性もあります。しかし、実際に上手にフリーアドレスを導入するとその良さが見えてきます。ここではフリーアドレスの導入がもたらすメリットを紹介します。
席を変えて「当たり前」を改善
勤務時、各部署やチームで席が固定されていると、どうしても独自のルールが定まっていたり、「当たり前」ができてしまうことがあります。もちろん社内での「当たり前=ルール」が定まると、従業員は心地よさを感じます。
しかし、変化が激しく革新が求められる時代においては、企業として「当たり前」を改善し、新たな価値を見出すことが求められているのも確かです。企業の革新の一歩としてフリーアドレスから「当たり前の席」=決まりきった仕事のやり方を抜け出すのも一つの手です。
当たり前の改善で生産性向上
これまでの「当たり前」を改善すると、生産性向上も期待できます。特に、社内で醸成された手法や決まりがある場合、遵守していることから効率化を進められていない可能性も。具体的には「契約書は紙が当たり前」「顧客管理は毎日手書きが当たり前」などが挙げられます。社内では業務効率化ができていると考えていてもツールを導入したりフローを変えたりするだけで、従業員の負担を減らしたり業務効率化が行えたりする可能性もあります。
フリーアドレスで席を固定しないことから、「この業務はペーパーレスにしたら負担が減る」「この書類はいらない可能性がある」と新しい視点で業務を改善できるのです。
コミュニケーション増加で社内の雰囲気も変化する
フリーアドレスでは他の部署の人や普段なかなかコミュニケーションをとらない人と関われます。そのため、社内でのコミュニケーション活性化を期待できるでしょう。各部署が別の部屋で業務を行っている企業の場合、フリーアドレスで1つのフロアに全部署を集めると、部署を超えた業務がスムーズになります。
例えば、これまで営業部門と経理が別のフロアにいた場合は経費の申請で手間がかかっていたものが、すぐに確認できるようになり精算や相談が楽になることもあるでしょう。様々な部署の従業員との交流はコミュニケーションのスムーズさや社内の雰囲気を変えることも期待できます。
フリーアドレスのコミュニケーション活性化がもたらす変化
フリーアドレスで複数の部署が同じフロアで業務をすると、コミュニケーションの活性化から様々な変化をもたらします。ここではフリーアドレスの導入で起こる3つの変化を紹介します。
新しい人間関係の構築
他の部署との交流がさかんになると、コミュニケーションの活性化を基に人間関係の新たな構築ができます。部署を超えた連携が叶うと、業務で困ったときに助けを求めることも可能になるでしょう。部署間で物理的な距離があると、相談や確認の手間がかかり「時間があるときに確認しよう」となり忘れてしまいトラブルに発展する可能性もあります。
同じフロアで他の部署と業務に取り組めば、新しい人間関係の構築から、コミュニケーションのスムーズさにつなげられます。
さまざまな価値観に触れてアイディアの創出
フリーアドレスで他の部署の価値観に触れることで、アイディア創出のヒントにもなり得ます。自分の部署のみで業務を行っていると知らず知らずのうちに、思考の方向性が固まってしまい「新しい価値を生み出せない」となる可能性もあります。
しかし、フリーアドレスで他部署間の連携が強まるとアイディアが煮詰まったときに相談できるため、新しいアイディアの創出に繋がる可能性があるでしょう。
社内の風通しが良くなる
部署間の壁を取り払うことで、風通しがよくなるといった変化も期待できます。企業によっては「財務は声をかけづらい」「営業部門は忙しそうで声をかけにくい」と悩むこともあります。しかし、フリーアドレスを導入することで「ちょっとした声かけ」がしやすくなり、風通しの良さにつながるでしょう。社内の風通しがよくなり、活発に意見を交わせるようになると、社内風土の改善やよい方向性での醸成が叶います。
フリーアドレスは意味ない!の対処法
フリーアドレスに、ネガティブなイメージを抱かれてしまっている残念なケースがあるかもしれませんが、いくつかのポイントを押さえると、フリーアドレスは成功に導けます。ここではすぐに実践したい、フリーアドレス成功に向けた4つのポイントを紹介します。
導入する部署を選ぶ
フリーアドレスを企業全体で導入しようと思うと適していない部署から不満が噴出したり、トラブルになったりします。まずはバックオフィスのみ、あまりオフィスを使用しない営業のみ、と導入する部署を限定してスタートしてノウハウを積み重ねるのも手です。
いくつかの部署で導入し、改善を繰り返しながらやがて企業全体にフリーアドレスを浸透させる方法が摩擦を減らすのに有効です。
レイアウトから改善する
フリーアドレスや人や物を探す手間が発生している場合は、オフィスのレイアウトから改善していきましょう。例えば、見通しが悪いファブリックの配置の場合、入り口から見てオフィス全体を見渡せるようなレイアウトがおすすめです。
また、電話や複合機が使いにくい場所にある場合は、配置を見直したり、思い切ってペーパーレスにしてしまうのもひとつの手です。
「私物」「共有」の境界線を明確に
フリーアドレスでは「従業員がどれくらい私物を使うのか」「企業からは備品をどれくらい提供するのか」を明確にしましょう。フリーアドレスでは最終的に従業員が私物を持たずに働ける環境づくりが推奨されます。
しかし、従業員によっては汚れやすいゴミ箱は自分のものを持ち歩きたい。自分の使いやすい文房具を使いたいといった意見もあるでしょう。その場合は「私物を使う場合はおきっぱなしにしない」「共有のものを使う場合は、数が減ったら報告する」などと境界線やルールを明確にしましょう。
システム追加で外から固める
フリーアドレスは新しい取り組みのため、今まで通り働きたい従業員の中にはストレスを感じる人もいるでしょう。もしも従業員から「座席を取るのが面倒」「毎回座席を決めるのにストレスがかかる」と不満が上がる場合は、システムを追加して仕組みづくりを徹底するのもひとつの手です。
例えば、スマートフォンやパソコンから1週間先まで予約できるシステムを導入すると、従業員はまとめて自分の座席を確保できます。また、ランダム機能を使えば、従業員の席の偏りも防げるため、システムの導入は効果を実感しやすいでしょう。
なお、システムの導入は経営層や上長から「本当に効果が見込めるのか」と指摘が入るポイントです。フリーアドレス導入のメリットは、ここまでご紹介してきた業務の効率化、コミュニケーションの活性化、そしてオフィスコストの削減に集約されます。
さらに会社個別の事情も踏まえて、担当者としてフリーアドレスを実施することで得られるメリットをメンバーに説明できるように準備しておきましょう。
YourDeskは、フリーアドレスの円滑なコミュニケーションを実現する座席管理システムです。
適切な座席配置については下記のコラムもあわせてご覧ください。
フリーアドレスを目指す際の着眼点
ここからは、対策法とあわせて担当者が意識したい4つのポイントを紹介します。フリーアドレスを推進、そして普及させるには従業員から経営層まであらゆる人の理解を得ること、そして従業員から不満が上がった際にすぐに対処できることが大切です。
フリーアドレスにする目的は?
まずはフリーアドレスを「なぜ行うか」を従業員に周知しましょう。この時「経営層から指示があったから」と、内部の事情を伝えるのではなく、フリーアドレスは従業員にとってどのようなメリットがあり、企業にどのような影響をもたらすのかを伝えることが大切です。企業目線でなく、従業員目線でのメリットを伝えると共感を得られるでしょう。
経営層から従業員までの理解
フリーアドレスは、経営層から従業員まで導入の共通認識を持ちましょう。フリーアドレスも広くは企業の経営方針や目指すべきビジョンの1つです。そのため、フリーアドレスを推進する担当者からだけでなく、経営者からもフリーアドレスにした目的や企業の目指すべき姿を伝えると良いでしょう。またフリーアドレスを機に例えば経営層も同じオフィスで仕事をしてみるといった取り組みも効果的です。
ありとあらゆるトラブルシューティング
フリーアドレスを進める中で、様々な課題が出てきます。現在検討中の場合はトラブルシューティングが不可欠です。うまく進まないことによる生産性低下や従業員のストレスなどをはじめとした様々な課題を想定し、事前に対策を打ちましょう。
コストや外部への依頼
トラブルシューティングをした中で、自社で管理が難しいと感じた場合は、システムを導入したり、外部からアドバイスを受ける方法も検討しましょう。
社内で活用できるシステムについては下記のコラムもあわせてご覧ください。
まとめ
フリーアドレスは従業員同士の連携を深め、またこれまでの「当たり前」を打破することから、ぜひ検討したい取り組みです。しかし、事前にいくつかのトラブルシューティングをしておくことも大切です。導入開始前にルールを決めたりシステムを導入したりと、悩みとなる原因を把握したうえで、成功に向けた仕組みづくりを行いましょう。