フリーアドレスに欠かせない座席管理システム
フリーアドレスを導入するうえで欠かせないのが、「座席管理システム」の存在です。座席管理システムとはどのようなものなのか、わかりやすく紹介していきます。
座席管理はプレゼンス管理とも呼ばれ、誰がどこにいて、何をしているかをリアルタイムで管理できるシステムです。フリーアドレスでは座席が固定化されていないため、社員が今どこにいて何をしているのかを把握するためにも、座席管理システムは大いに必要とされます。
また、コミュニケーションを円滑にすることにおいても意味があり、座席管理システムでお互いの状況を把握することで、スムーズなやりとりを実現します。現代はリモートワークを取り入れる企業も増えており、働く場所がオフィスである必要性はなくなってきています。
だからこそ、座席管理システムは現代の企業の要望に応え、社員の業務を効率化するうえで必要なツールとなっているのです。
フリーアドレス導入の背景
オフィスの席が自由化されるフリーアドレスは、社員の生産性向上やモチベーション維持に重要な意味があります。最近では多くの企業でリモートワークが導入され、働く場所も自由に選べるようになっています。
なぜ最近になって改めてフリーアドレスが注目され、導入する企業が増えているのでしょうか。その背景について紹介します。
IT技術の進歩
フリーアドレスが進んだ大きな背景として、パソコンの小型・軽量化、インターネットやスマートフォンの普及、コミュニケーションツールの多様化があります。従来のオフィスではデスクトップをおいて、それぞれのデスクで黙々と作業を行っていました。
現代ではノートパソコンでも優れた性能があり、1㎏未満にまで軽量化されたものもあります。加えて、街中でもWi-Fiが利用できるうえ、スマートフォンがあればテザリングも可能です。
インターネットに繋がっていれば、LINEやchatwork、slackといったコミュニケーションツールを使うこともできます。オフィスにある自分のデスクでしかできなかったことが、今やどこでもできるようになったことが、フリーアドレスが増えた大きな要因のひとつです。
ワークライフバランスの意識向上
大きな理由の2つ目は、社会全体でワークライフバランスの意識が高まっていることが挙げられるでしょう。かつての高度経済成長期の日本では、過度な残業をしてでも働くことが正しいとされていた時代もあったといいます。
現代では、心身の健康を重視し、プライベートを大事にするのが適切な働き方になっています。フリーアドレスは、働く場所にこだわらない多様性を認め、社員の働きやすい環境作りにも寄与しているといえるでしょう。
そして、多様性を求められる時代だからこそ、ワークライフバランスを意識したフリーアドレス制度の導入が進められています。
自由な発想の創出
仕事はオフィスでするもの、そうした固定観念を取り去り、自由な空間で働くことで生まれるアイディアもあります。同じ環境で働き続けるとストレスを感じやすく、変化のない環境では良いアイディアも生まれません。
フリーアドレスは社員が気持ちをリフレッシュしつつ、自由な発想を持つうえでも重要です。特に商品開発やシステム開発のように、新しい物を生み出すには発想が大事になります。
社員のモチベーション向上と自由な発想を促進するためにも、フリーアドレスの導入は必須といえるでしょう。
フリーアドレスのメリット
フリーアドレスを導入することでどのような利点があるのか、3つのメリットについて紹介します。
- ・経費の削減
- ・必要に応じてレイアウトを変えられる
- ・オフィスの景観が良くなる
フリーアドレスは働く場所が自由になることから、企業にとってはオフィス賃料やデスクなどの備品の経費を削減できます。固定費を削減できるだけでなく、ペーパーレス化もしやすいので経費を削減するならおすすめです。
また、オフィスでの仕事にこだわる必要がないことから、オフィスの内装やデスクのレイアウトを気軽に変えられる点もメリットです。チーム単位、会議用、プロジェクト向けとすぐにレイアウトを変更でき、業務効率化が期待できます。
従来であれば、会議室は大きな部屋に大きなデスクを置き、会議以外では使用しないことも一般的でした。しかし、フリーアドレスならスペースを無駄なく利用でき、いつでも好きな形で使用できます。
そして、オフィスの見た目が良くなり、整理整頓の手間が省ける点もメリットといえるでしょう。従来のオフィスでは社員一人ひとりにデスクが割り当てられ、デスクにはパソコンや書類、私物が雑然と並んでいました。
フリーアドレスにすることでオフィスは整然となり、すっきりとした環境になるでしょう。また、オフィスには本当に必要な物だけを置くことになり、仕事に専念できる環境が整えられます。フリーアドレスは、業務遂行に快適な環境作りや作業の効率化にも大きく貢献するはずです。
フリーアドレスの問題点
フリーアドレスは、従来のオフィスでのワークスタイルとは異なり、社員個人が自由な場所で働けるからこその問題点もあります。フリーアドレスを導入した結果、運用開始後に生じやすい問題点を紹介します。
- ・運用の準備体制が不十分
- ・コミュニケーションが上手くいかない
- ・チーム・部署内での連携が捗らない
- ・窓口対応が難しい
- ・席やグループが固定化する
フリーアドレスを導入すると決めても、準備が不十分でデスクや椅子が足りない、席がほぼ固定される、収納スペースがないと言った問題が生じることがあります。こうなると業務効率が落ちるとともに、社員同士の円滑なコミュニケーションが難しくなる問題が生じてしまうかもしれません。
また、社員同士のコミュニケーションが上手くいかないと、チームや部署単位での業務も滞りやすく、通常のオフィスよりも作業効率が落ちるでしょう。フリーアドレスの導入は、業種や導入目的を明確化し、必要な準備をしなければ失敗してしまうこともあります。
オフィスの席が自由化していると起こりやすい問題として、「どの社員がどこにいて、何をしているかわからない」ことが挙げられます。そのため、窓口での顧客訪問や郵便物受取といった対応が難しく、特定の社員を探す手間も発生します。
フリーアドレスは社員の交流を促進し、業務を効率化するのが目的ですが、かえって交流を疎外してしまうケースも考えられます。好きな席で仕事のしやすい社員同士が固まり、グループ化してしまう問題です。
こうなるとせっかくフリーアドレスを導入しても改善が得られず、意図した効果がもたらされないかもしれません。問題点を認識したうえで、どのように対応するかを事前に検討しておくことが大事です。
フリーアドレスに座席管理システムが必要な理由
フリーアドレスで生じる問題の解決には、座席管理システムの導入が有効な手段です。なぜ座席管理システムが必要になるのか、その理由について解説します。
3密を避けられる
新型コロナウイルスへの対策として、「密集・密閉・密接」の3密は誰もが気にするところになっています。フリーアドレスは3密を回避しやすく、座席管理システムを導入すればより効果的に働いてくれるでしょう。
座席管理システムによりクラスターを防ぎつつ、社員の位置を把握できるため、感染予防対策としても有効なツールです。
社員の居場所と作業内容が把握できる
オフィスの席が固定されないことで、社員がどこにいるのか把握できなくなっては元も子もありません。座席管理システムを利用すると、社員の居場所と作業内容をリアルタイムで把握でき、目の届かない場所でも社員の働きを可視化できます。
管理職からも社員の管理がしやすくなるため、フリーアドレスを採用するなら必須の対策といえるでしょう。
コミュニケーションを取りやすい
フリーアドレスは社員間の交流を取りやすいオフィスの形ですが、場合によってはコミュニケーションを妨げる要因にもなります。社員同士の位置が把握できず、お互いの作業が見えにくいからです。
座席管理システムを確認すれば、社員同士の位置がすぐにわかり、声をかけても問題のないタイミングかどうかもわかります。
YourDeskは、フリーアドレスの円滑なコミュニケーションを実現する座席管理システムです。
フリーアドレスを成功に導く座席管理システムの選び方
フリーアドレスを成功させるための座席管理システムの選び方を紹介します。
どんな目的・課題に対するものか
座席管理システムを導入するには、フリーアドレスをどのような目的で運用するのか、導入した際の課題は何かで考えましょう。連絡が上手くいかないのか、社員の作業内容が不明瞭なのか、導入でどんな問題があるのかで選ぶべきシステムも変わります。
それぞれの目的・課題から最適な座席管理システムを選択してください。
小規模からの運用ができるか
フリーアドレスを導入するとしても、企業規模によっては当初より全体で行うことは難しいはずです。まずは小規模での運用から開始し、徐々に会社全体にも適用していくのが一般的でしょう。
座席管理システムには、大企業向けから中小企業向けまで様々なものがあり、企業規模と将来性まで見据えたツール選びが必要です。
フリーアドレスのパフォーマンスを最大化させる座席管理システムの使い方
フリーアドレスを効果的に活用するために、座席管理システムの使い方のポイントを押さえておきましょう。
社員の所在や状況の把握
従来はホワイトボードに出勤・退勤・休暇といったステータスを記入し、社員を管理するのが一般的でした。しかしフリーアドレスでは社員の所在や状況を把握しにくく、ホワイトボードへの記入は不向きです。
座席管理システムを利用すれば、各々のパソコンやスマホなどの端末で社員の状況を把握できるので、社員ごとのスケジュール管理も容易になるはずです。
相手の様子が見えないうえでのコミュニケーション
従来のオフィスでは、デスクを並べた一部屋に社員が集まることからコミュニケーションを取りやすいメリットがありました。一方、フリーアドレスでは、お互いの顔を見ながらのコミュニケーションは難しいです。
しかし、この点も座席管理システムとオンライン通話やチャット、メールといったツールで解決できます。座席管理システムで相手の状況を確認すれば、コミュニケーションも取りやすくなるでしょう。
座席管理で得られるメリットの循環
座席管理システムにはメリットの循環があります。
- 1.社員同士のコミュニケーションのタイミングがわかる
- 2.コミュニケーションを取りやすくなる
- 3.社員同士の連携が上手く回る
- 4.一人ひとりの仕事への貢献度が高まる
- 5.協働している一体感や安心感が高まる
- 6.社員同士のコミュニケーションが取りやすくなる(1に戻る)
このようにメリットのサイクルが生まれ、社員一人ひとりの業務効率も向上します。サービスの質が向上することで、顧客からの信頼にも繋がるはずです。
座席管理システムを上手く活用して生産性を向上させよう
今回はフリーアドレスで座席管理システムを利用する重要性について解説しました。フリーアドレスは企業の業種、規模、風土によって導入のプロセスも変わってきます。
フリーアドレスを何のために導入するのか、導入後の課題は何か、トラブルへの対応をどうするかをしっかりと見据えておきましょう。フリーアドレスを成功に導くために、座席管理システムを上手く活用できれば、社員の交流が活発になり、生産性が大幅に向上するはずです。
まとめ
フリーアドレスに欠かせない座席管理システム
フリーアドレスを導入するうえで欠かせないのが、誰がどこにいて、何をしているかをリアルタイムで管理できる「座席管理システム(プレゼンス管理)」。
フリーアドレス導入の背景
フリーアドレスは、社員の生産性向上やモチベーション維持に重要な意味を持っており、IT技術の進歩・ワークライフバランスの意識向上を背景に、自由な発想の創出を求め導入する企業が増えている
フリーアドレスのメリット
- ・経費の削減
- ・必要に応じてレイアウトを変えられる
- ・オフィスの景観が良くなる
フリーアドレスの問題点
- ・運用の準備体制が不十分
- ・コミュニケーションが上手くいかない
- ・チーム・部署内での連携が捗らない
- ・窓口対応が難しい
- ・席やグループが固定化する
フリーアドレスに座席管理システムが必要な理由
- ・3密を避けられる
- ・社員の居場所と作業内容が把握できる
- ・コミュニケーションを取りやすい
フリーアドレスを成功に導く座席管理システムの選び方
自社の目的・課題に対応しているか、小規模から試用できるか、企業規模と将来性に合致しているかなどを考え選択するとよい
フリーアドレスのパフォーマンスを最大化させる座席管理システムの使い方
社員の所在や状況の把握、相手の様子が見えないうえでのコミュニケーションへの活用など、システムの機能を上手に使うことで、得られたメリットが循環し向上していく。
フリーアドレスの座席管理システムとは?