オフィスの集中スペースとは
フリーアドレスを新しいオフィスの形として取り入れる企業が増えつつあります。そのようなオフィス内で、効率化やストレス緩和を主な目的として設置されるのが「集中スペース」です。文字通り、業務に集中するためのスペースと捉えるとよいでしょう。オフィスの規模や従業員が担う業務内容等により集中スペースの必要性やタイプは異なります。もしフリーアドレスを導入することで従業員から不満や悩みが聞かれたり作業効率が落ちたりなどがあった場合は、集中スペース設置の検討が必要です。集中スペースはタイプにもよりますが簡易的かつ柔軟性のあるものも少なくないため、設置後に従業員の意見なども取り入れながら調整することも難しくはありません。
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集中スペースを設置するメリットや重要性
フリーアドレスには、オフィスが狭いと周りがうるさいなどいくつかの欠点があります。企業ごとに欠点は異なりますが、このようなフリーアドレスのデメリットを集中スペースが解決することも少なくありません。具体的にどのようなメリットがあるのかをみていきます。集中スペースの重要性にも気付くことができるでしょう。
周囲の雑音を抑制
オフィスは通常、近くに他の人がいる状態で作業しなければなりません。デスクが固定されているオフィスでも同様ですが、フリーアドレスの場合は日によって近くで作業する人が変わります。この点にストレスを感じる人は少なくないでしょう。隣にいる従業員がいつも物静かな人とは限りません。特に集中しなければならない業務を担っている場合、周囲の雑音が気になり作業に没頭できないといった悩みを抱える人もいるのではないでしょうか。集中スペースを設けることにより、このデメリットの解消が可能です。集中スペースの設置場所やタイプにより程度は異なるものの、普段作業をするスペースと比べると周囲の雑音を抑制しやすいでしょう。
フリーアドレスは基本的に席を自由に選べるため、周囲から独立しているデスクや静かな場所を選択することも可能です。しかし、オフィスが狭いと周りがうるさい状況を改善することは難しく、また、そのような席を設けたとしても奪い合いが生じ、集中しなければならない業務のある日に必ずしも選択できるとは限りません。集中スペースがあれば集中したいときのみ使うことができるため、業務の効率化にもつながりやすいでしょう。同時に、利用制限を設けるなどのルール化も重要です。従業員の声も取り入れながらルールを設定することが求められます。
オンラインMTGへの対応
リモートワークの重要性が理解され普及が急速に進んだことで、ZoomやスカイプなどオンラインMTGを積極的に導入する企業も増えてきています。オフィスで作業を行う際もオンラインMTGを多用する企業は少なくなく、わざわざ会議室など同じ部屋に集まりMTGを行う機会は減りつつあるでしょう。フリーアドレスのみの導入では、このオンラインMTGに支障が出るケースが少なくありません。やはり周囲の雑音が気になるとともに、内容によっては他の従業員に知られては困る会議もあるためです。集中スペースがあれば、そのような重要な会議でも問題なく行うことが可能です。
他企業への営業活動や交渉等も集中スペースで行えます。自分だけのスペースが確保できれば、周囲の雑音が入り営業や交渉を行う相手に不快な思いをさせることも防げるでしょう。同じ場所に多くの人が集まる会議などと異なり、雑談などによる時間の消費も削減できます。限られた時間を無駄なく業務に充てることで効率化を図ることにもつながるのです。
環境の変化による集中力持続と発想力強化
通常のスペースから集中スペースへと切り替えることで、集中力が保ちやすくなる効果も期待できます。環境を変えることで単調な業務に変化を与え、改めて集中し直すことが可能でしょう。また、新しい環境への切り替えは発想力の強化にもつながります。多くの人が、同じ場所で同じ作業を継続していても新しいアイデアは浮かびづらいといった経験をしているのではないでしょうか。フリーアドレスにより毎日作業する席やデスクを変えることは可能ですが、集中スペースの設置により同じ1日の中でも変化を与えることができるのです。
このような効果を狙う場合は、空間やデスク、チェアなどにも工夫が必要です。場所を移動しても通常業務を行う空間やデスク、チェアと全く同じではリフレッシュ効果は得られません。色や形状、機能などに変化をもたせることで、より集中力持続と発想力強化の効果が得られやすくなるでしょう。一定のコストもかかりますが業務の効率化やイノベーションが図れれば企業の利益向上へとつながるため、従業員への先行投資と考える柔軟さも必要です。
集中スペースのタイプ
集中スペースには、複数のタイプやスタイルが考えられます。オフィスの規模やコストにより選択すべきタイプは異なるでしょう。集中スペースの代表的なタイプを紹介します。導入できそうなタイプから検討を始めてみてはどうでしょうか。
ソファなどのリラックス空間を重視したタイプ
アメリカの大企業やベンチャー企業など自由な働き方を重視する企業によくみられる集中スペースのタイプです。オフィスの一角や別の部屋などにソファを設置し、従業員が自由に使えるような集中スペースを設けます。硬い椅子ではなくソファでリラックスしながら作業できる点が最大のメリットです。気分転換にもつながるため、新しいアイデアの創出効果も期待できます。ノートパソコンなどでの作業も可能な業務であれば、このタイプの集中スペースは特に大きな効果が期待できるでしょう。
ソファなどの設置はコストや一定以上の広さが必要になる点がデメリットです。また、多くのソファを設置できない場合は従業員同士で取り合いになる可能性も否定できません。利用時間などのルールを、より厳密に設定することも求められるでしょう。こうした点さえクリアできればフリーアドレスを導入したとしても従業員が過度なストレスを感じることなく業務に集中できるのではないでしょうか。
長机など図書館やカフェをイメージさせるタイプ
ソファではなく長机などを設置するタイプの集中スペースもあります。図書館やカフェなどをイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。通常のオフィスと異なるのは、デスクの前に他の人がいない点です。壁や窓際に設置することで、誰かに見られているという意識を抑えることができます。長机に椅子を並べるため横に人がいる状態は避けられませんが、椅子と椅子の間を広くとることで、図書館やカフェで作業をする程度の集中力を保つことはできるでしょう。複数のソファや、次で紹介する個室タイプの集中スペースを設置できるほどの空間がないオフィスにおすすめのタイプです。
パーテーションで仕切る個室のタイプ
空間とコストがある程度確保できるのであれば、パーテーションで仕切る個室タイプは集中スペースのメリットを最大化させてくれるでしょう。周囲の目線が気にならないため、集中力のアップと維持に役立ちます。四方と天井もすべて囲い込むタイプの集中スペースは、雑音や騒音も抑えることができます。ZoomやスカイプなどオンラインMTGも問題なく行えるでしょう。簡易的なパーテーションであれば一定のパーソナルスペースを確保できるとともに、集中スペースの移動や拡張・縮小なども容易に行えます。フリーアドレス導入後、集中スペースの必要性を感じた場合は、簡易的なパーテーションにより個人の空間の確保を試みてもよいのではないでしょうか。効果や従業員の声も参考にしつつ、その後のオフィスづくりに活かしていくとよいでしょう。
フリーアドレスの導入と集中スペースの設置はセットで考えよう
- ・集中スペースは周囲の雑音を抑えながら業務に没頭するための空間
- ・オンラインを活用したMTGや社外への営業活動などにも使える
- ・環境の切り替えにより集中力持続や発想力強化の効果も狙える
- ・集中スペースのタイプはオフィスの広さやコストなどに合わせた選択が重要
フリーアドレスで生じる悩みの一部を解消し、従業員のストレス緩和や業務の効率化へとつながる集中スペースの設置を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
オフィスの集中スペースとは
フリーアドレスを導入したオフィスで、効率化やストレス緩和を主な目的として設置される座席スペース
集中スペースを設置するメリットや重要性
「オフィスが狭いと周りがうるさい」といったフリーアドレスのデメリットを補うために集中スペースは重要
- ・周囲の雑音を抑制してくれる
- ・オンラインMTGしやすい
- ・「集中スペースに移動」という行動による、集中力持続と発想力強化が見込める
集中スペースのタイプ
- ・ソファなどのリラックス空間を重視したタイプ
- ・長机など図書館やカフェをイメージさせるタイプ
- ・パーテーションで仕切る個室のタイプ
フリーアドレスを導入するなら、集中スペースの設置も合わせて考えよう