フリーアドレスとは?
フリーアドレスとは、個人専用のデスクではなく、オフィスフロアに設置されている席を自由に選んで仕事をするワークスタイルのことをいいます。昨今では、「生産性が上がる」と、多くの企業がこのスタイルを取り入れています。
フリーアドレスの種類を解説
フリーアドレスの座席の運用形態には、大きく分けて「完全フリーアドレス」と「グループアドレス」の2種類あります。それぞれどのようなものなのか、解説していきましょう。
完全フリーアドレス
完全フリーアドレスとは、オフィススペースにある座席を固定せず、フリーな状態のことをいいます。仕事をする人が、毎日自由に席を選べるのが特徴です。
完全フリーアドレスのメリットは、普段ではあまり接触がない他部署やほかのチームの人とコミュニケーションを取れることでしょう。そのことから、社内の活性化を図ることができます。また、毎日新鮮な気持ちで仕事に取りかかることができ、仕事の効率もアップします。
グループアドレス
グループアドレスとは、職種やチームなどのグループごとに決められたエリアのなかで自由に席を選べることをいいます。このグループアドレスには2種類あり、グループごとのエリアが固定されていて、その中なら自由に席を選べるタイプと、グループ単位でエリアを移動しながら、自由に席を選べるタイプがあります。
同じ部署やチームのメンバーが近くにいるため、完全フリーアドレスで起こりがちなチーム内のコミュニケーションが取りづらいという問題を未然に防ぐことができるのがメリットです。
フリーアドレスの導入方法と流れについて
フリーアドレスを導入する場合の流れを解説していきます。
導入の流れ①導入イメージの策定・KPI設定
まずは、フリーアドレスを導入する際のイメージを固めます。具体的には、
- ・フリーアドレスを導入する目的はなにか
- ・フリーアドレスの運用スタイルはどうするか
- ・フリーアドレス適用範囲(全社員、特定の部署、特定の職種など)はどうするか
などです。
そして、フリーアドレスの導入効果を検証するために、KPI(Key Performance Indicator・重要業績評価指標)を設定しましょう。KPIは目標を達成するために必要なプロセスを評価するための指標です。設定することで、目標達成までの距離を把握できます。
導入の流れ②試験導入:PDCAを回しながら改善する
次に試験的にフリーアドレスを導入します。試験導入をする際には、特定の部署をパイロット部門に選び、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の「PDCAサイクル」を回しながら運用していきます。問題点やつまずきがあれば改善を行い、PDCAをうまく回せるようになるまで試験導入を続けましょう。
導入の流れ③ルールを決める
試験導入での課題や問題点などを洗い出し、運用ルールを決めていきます。
例えば、
- ・固定席にならないようにはどうするか
- ・郵便物、電話の取り次ぎ方法
- ・どこまでペーパーレス化するか
- ・席のレイアウト
- ・セキュリティ対策
- ・私物の扱い方
- ・席を使った後の清掃
などです。ルールを決めたらマニュアルを作成して可視化しておきましょう。
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フリーアドレス導入が向いている企業の特徴
フリーアドレスは、向き不向きがあります。向いている企業の特徴をご紹介します。
特徴①オフィスの外で仕事をする社員が多い
営業職などで社外で仕事をする社員が多い場合には、フリーアドレスの導入が向いています。オフィスの外で仕事をする社員が多いと、座席の数を減らすことができ、スペースをほかのことに有効活用できます。
特徴②テレワークを導入している
テレワークを導入していると、クラウド環境が整っているといえるので、フリーアドレスを導入しやすいです。また、テレワークにより、座席数を減らすことができたり、コスト削減にもつながります。
特徴③ペーパーレス化が進んでいる
ペーパーレス化が浸透している企業であれば、フリーアドレスに向いているといえるでしょう。フリーアドレスでは、自分の席がなく、紙の書類などは別途保管場所が必要となります。しかし、ペーパーレス化が進んでいれば、保管場所も省スペースで済み、ほかの人との情報共有もしやすくなるため、フリーアドレスを導入しても業務を滞りなく進められます。
フリーアドレス導入を成功させるポイントとは?
フリーアドレス導入を成功させるには、いくつかポイントがあります。チェックしておきましょう。
成功させるポイント①目的を明確にする
フリーアドレスを成功させるには、導入する目的を明確にしておくことが大切です。ただなんとなく導入すると、抵抗感を覚える社員や、不安がる社員が出る可能性があります。また、業務に支障をきたすかもしれません。必ず、目的を明確にし、社員に理解してもらうように努めましょう。
成功させるポイント②事前準備
フリーアドレスを導入するには、座席数やレイアウトなどのオフィス環境を整えたり、ロッカーの設置、クラウドの整備など、事前に準備しておくべきことがたくさんあります。事前準備を怠ると、運用してから問題やトラブルが発生してしまうリスクは高まります。しっかり準備をしてから、フリーアドレスをスタートさせましょう。
成功させるポイント③運用ルールを決めておく
フリーアドレスにおけるルールを決めておくと、スムーズに運用できます。
例えば、
- ・前の日と同じ席に座らない
- ・仕事が終わったら清掃する
- ・紙の書類はファイルボックスに3つまで
- ・1日に1回は部署内やチームでの情報共有する機会を設け、コミュニケーションを図る
などです。ルールを守るように社員に周知しましょう。
成功させるポイント④座席管理システムの導入
座席管理システムでは、だれがどこにいるか可視化できるツールです。「だれがどこにいるのかわからない」というフリーアドレスで起こりがちな問題を解消できます。
成功させるポイント⑤定期的なルールの見直し
フリーアドレスを運用しだしてしばらくすると、問題や課題が見つかることがあります。それらを解消するためにも、定期的なルールの見直しを行うことも必要です。
スムーズなフリーアドレスの導入を!
フリーアドレスを導入すると、スペース効率が上がったり、社内の活性化につながったりとさまざまな効果が期待できます。導入する際には、まず自社がフリーアドレスに向いているかどうかを見極めることがポイントです。その上で、フリーアドレスの導入の目的を明確にし、事前準備をしっかりすれば、スムーズに導入できることでしょう。
まとめ
フリーアドレスとは?
オフィスフロアに設置されている席を自由に選んで仕事をするワークスタイルのこと
フリーアドレスの種類を解説
完全フリーアドレス:座席を固定せず、フリーな状態のこと。違う部署の人とのコミュニケーションが取りやすい
グループアドレス:職種やチームなどのグループごとに決められたエリアのなかで自由に席を選べること。チーム内のコミュニケーションが取りやすい
フリーアドレスの導入方法と流れについて
- 1.導入イメージの策定・KPI設定
- 2.試験導入:PDCAを回しながら改善する
- 3.ルールを決める
フリーアドレス導入が向いている企業の特徴
- ・オフィスの外で仕事をする社員が多い
- ・テレワークを導入している
- ・ペーパーレス化が進んでいる
フリーアドレス導入を成功させるポイントとは?
- ・目的を明確にする
- ・事前準備
- ・運用ルールを決めておく
- ・座席管理システムの導入
- ・定期的なルールの見直し