オフィスの課題を改善することは、働き方改革につながります。この記事では昨今、どのようなオフィスの課題があるのか、課題を改善すると得られるメリットを解説。また具体的なオフィスの改善方法も紹介します。
昨今のオフィスの課題とは
昨今、よく見られるオフィスの課題にはどのようなものがあるのでしょうか。
快適に働ける環境かどうか
昨今のオフィスの課題のひとつに、オフィスの快適性があります。従業員が快適に働ける環境でなければ、身体的、精神的に健康被害が生じる可能性があり、仕事の生産性にも悪影響を与えてしまいます。
具体的な課題としては、「作業スペースの広さ」「照明の明るさ」「感染症対策としての換気の問題」「リフレッシュできるスペースがあるか」などがあげられます。
仕事に集中できる環境かどうか
仕事に集中できる環境かどうかも課題です。たとえば、人がデスク周りをよく通る、オンライン会議や電話をしている声や音、その他の雑音などは、集中力を削ぐ原因となります。社員にヒアリングを行い、仕事に集中できる環境かを確認します。
オフィスのレイアウトの問題
オフィスのレイアウトの問題もあります。たとえば、オフィス内の動線が悪く、スムーズに移動できなかったり、荷物が置いてあって通路が狭いなどです。特に来客の多い企業の場合は、玄関やロビーから応接室までの動線にも注意が必要です。
オフィス設備の問題
オフィスの設備には、共有物を収納したり、個人の仕事道具などを置いておけるロッカーや、デスク、椅子などがあります。
ロッカーは、十分な大きさと整理整頓がしやすいものでなければ仕事の効率が下がってしまいます。デスクや椅子は、「快適で」「長時間作業しても疲れにくい」製品を導入することを検討します。
災害時の備えは万全か
自然災害への備えも重要な課題です。防災グッズを備えている企業は少なくないと思いますが、避難経路の確保や、オフィス家具の転倒防止対策などは意外と見落としがちな項目です。
オフィスの課題が改善されるメリット
前述したようなオフィスの課題を改善すると、次のようなメリットが期待できます。
業務効率・生産性のアップ
業務に必要な道具が整理され、取り出しやすく、なおかつ収納する場所が明確になっていれば、ものを探す時間、取り出す時間が短縮できます。また、スムーズな動線を確保することで時間ロスを減らすことができます。
オフィス環境を整備することで時間ロスを減らすことができれば、その分、仕事の効率を向上させることができます。
ストレス軽減
オフィスにおけるストレスには、音、光、他人の視線、温度・湿度、空気などがあります。これらは、オフィス環境を整えることで改善可能です。改善されれば、ストレスが軽減され、従業員一人ひとりの仕事の質が上がります。
従業員満足度が向上する
「顧客満足度」という言葉はよく見聞きしますが、「従業員満足度」という言葉もあります。従業員満足度とは、オフィス環境や社内の人間関係、働き甲斐、給与、福利厚生などについて、従業員がどれだけ満足しているかを表す指標です。
満足度を示す要素にはオフィス環境も含まれているため、オフィス環境が改善されれば、従業員満足度も上昇します。従業員にとって働きやすい環境になることはもちろん、仕事に対するモチベーションアップにもつながり、離職率も下がるというメリットがあります。
安心・安全に仕事ができる
災害対策が万全だと、安心して、安全に仕事をすることができます。また昨今は、感染症対策も重要視されています。感染症対策が十分に配慮されていれば、従業員は健康面について無用な心配をする必要がなくなります。
創造性の向上
オフィスのレイアウトを見直し、従業員がリフレッシュできるスペースやディスカッションできるスペースを作ることで、社員同士のコミュニケーションが活発になります。ちょっとした世間話から思わぬアイデアが生まれたり、心身がリフレッシュすることで創造性向上を期待できます。
オフィスの課題を改善する方法
オフィスの課題を改善する具体的な方法を解説します。
作業スペースの改善
デスクワークが多い企業では、作業スペースとなるデスクと椅子を改善することで、従業員一人ひとりの生産性アップにつなげることができます。
一人が作業するのに理想的なデスクのサイズは、一般的に幅120cm、奥行き60~70cmとされています。椅子は、長時間座っても疲れず、角度や高さが柔軟に調整できるものがよいでしょう。
また、デスクの近くに、資料や書類、仕事道具などが収納できるロッカーを配置すると、作業効率がアップします。ロッカーの大きさは、少し余裕ができるくらいのものが適しています。常に整理整頓して、どこに、なにがあるかを明確にしておくことも重要です。
音・光・空気対策
周囲の音が気になる場合には、集中ブースを設けるとよいでしょう。ブースを簡易的に設置するのであれば、デスクの周囲にパーテーションを配置します。周囲の視線を気にすることなく、音もある程度遮断でき、仕事に集中できます。オンライン会議にもおすすめです。
照明の明るさは、労働安全衛生規則第604条・605条および事務所衛生基準規則により、基準が設けられているので参考にします。作業区分別の照度の基準は、精密な作業なら300ルクス以上、普通の作業なら150ルクス以上です。業務内容によって最適な照度は異なりますので、あくまでも目安としてください。
オフィスで快適に仕事をするためには、温度と湿度も重要になります。夏は室温25~28℃、湿度55~65%、冬は室温18~22℃、湿度45~60%が目安です。また、換気を適宜行い、室内の空気を循環させると、より快適な空間になります。空気の循環には、二酸化酸素濃度センサーの導入や換気扇のメンテナンスサービスを活用することも有効です。
オフィスレイアウトの改善
従業員、お客様がスムーズに移動できる動線を確保すると、オフィス環境が各段によくなります。まずはオフィスのレイアウトを見直し、広めの動線を作ることがポイントです。また、メインの動線からサブの動線が枝分かれし、再度つながるようにすると動きやすくなり、作業効率が向上します。
デスクの配置には、次のようなパターンがあります。
- ・対向型
- ・並列型
- ・背面式
- ・ブース型
- ・クロス型
- ・ブーメラン型 など
自社の業務にふさわしいデスク配置を選択します。複数のパターンを組み合わせることもおすすめです。
災害対策
災害には、地震、台風、火災などがあります。どんな災害が起こっても対応できるよう、災害対策は万全にしておきましょう。
災害対策には、次のようなものがあります。
- ・避難経路を明確にしておく
- ・オフィス家具やコピー機、パソコンなどの転倒防止
- ・データのバックアップ
- ・消火器の準備
- ・防災グッズの準備
- ・簡易食料や飲料水などの備蓄
- ・防災訓練の実施
さまざまなワークスタイルに対応できるオフィスづくり
昨今では、テレワークやフリーアドレスなど、さまざまなワークスタイルが登場しています。こうしたワークスタイルに対応できるオフィス環境を整えることで、従業員の満足度もアップします。
たとえば、集中スペース、グループワークスペース、リフレッシュスペース、ディスカッションスペースなど、その日の業務や気分に合わせたスペースを設置します。仕事の生産性が向上し、加えて社員同士のコミュニケーションも活発になります。
オフィスの課題を改善しましょう
オフィスの課題を改善すると、生産性の向上、業務効率アップ、従業員のモチベーションアップなどにつながります。従業員にオフィスの課題をヒアリングし、改善に取り組みましょう。
まとめ
昨今のオフィスの課題とは
- ・快適に働ける環境かどうか
- ・仕事に集中できる環境かどうか
- ・オフィスのレイアウトの問題
- ・オフィス設備の問題
- ・災害時の備えは万全か
オフィスの課題が改善されるメリット
- ・業務効率・生産性のアップ
- ・ストレス軽減
- ・従業員満足度が向上する
- ・安心・安全に仕事ができる
- ・創造性の向上
オフィスの課題を改善する方法
- ・作業スペースの改善
- ・音・光・空気対策
- ・オフィスレイアウトの改善
- ・災害対策
- ・さまざまなワークスタイルに対応できるオフィスづくり