テレワークにおける企業の課題として、従業員のさぼり対策や無断離席・外出対策が挙げられます。従業員がテレワークでさぼるとどんなことが起こるのか、認められる外出と認められない外出にはどんな差があるのかを解説します。本記事はテレワークでの働き方について、注意すべき点が端的にわかる内容です。
テレワークのさぼりで外出すると危険
在宅勤務が一般化してきていますが、必要でないのにさぼって外出する人もいます。しかし、テレワーク中のさぼりには知られざる危険が潜んでいます。
端末の位置情報から特定される
テレワークを導入・推進している会社では、勤怠管理システムやPC・タブレットの使用状況チェック、法人携帯での位置情報把握などの対策を行っていることがあります。
休憩時間でもないのに外出していると、端末の位置情報から現在地がバレて、さぼっていることが容易に把握されます。業務量を推測するツールもあるため、勤務時間に対して業務の進捗が遅い場合も、さぼっていると判断されるには十分な理由になるでしょう。
会社側としても、テレワークで残務が多いと残業代などが負担になるため、勤務時間中は仕事を着実に遂行することを望んでいます。
どうしても外出する用事ができた時には、上司に相談してから外出するのがルールです。
怪我をしても労災が下りない可能性も
仕事に関連した事故や怪我に対しては、例え通勤中や退勤中であっても労災が適用されます。しかし、テレワーク中に無断で外出し、その際に怪我をした場合には、労災が適用されない可能性があります。
本来、テレワークで家にいれば起きなかった事故になるため、業務範囲外とみなされるからです。テレワーク中の私用外出を禁じている会社もあるため、ルールに従うことが大切です。
勤務時間が決められているなら、勤務中はさぼりでの外出はしないようにしましょう。
テレワークで認められる外出・離席
テレワーク中にさぼって外出するのは許されませんが、認められる外出・離席もあります。どのような例があるのか紹介します。
トイレのための離席
オフィス勤務であってもトイレに行くことはありますから、その程度の離席は認められます。一般的な勤務では8時間以上拘束されるため、トイレに行かないことはあり得ないからです。
ただし、トイレといって喫煙したり、数十分戻らなかったり、頻繁に離席したりするようなら、職務規定に違反するおそれがあります。トイレなら許されると考えて、不必要な離席はしないでください。
休憩時間内での離席・外出
勤務時間の合間にある休憩時間については、従業員が自由に離席・外出できます。就業規則でテレワーク中の外出を禁止されていない限りは、休憩時間中の外出も問題ありません。
ただし、休憩時間でもないのに外出したり、休憩時間を過ぎても戻らなかったりすると注意される可能性があります。あくまで休憩時間内で離席・外出することが大前提です。
許可を得ての離席・外出
子育てや家族の介護をしながら、テレワークをしている方もいます。緊急性の高い呼び出しや家族との面会など、決められた時間に外出しなければならない状況も考えられます。
長時間外出せざるを得ない時は、上司に状況を説明して許可を得ましょう。事前に申告しておけば、特定の時間になったら報告するだけで外出できる会社もあります。
ただし予定外に時間が掛かる場合には、有給休暇や時間休を使用することもあるので注意してください。
緊急事態での離席・外出
やむを得ない事態では、会社に報告するだけで離席・外出できるケースがあります。例えば、子どもが急に熱を出して病院を受診する必要があるケースや、家族が事故に遭ってしまったケースなどが考えられます。
ただし急を要する場合でも会社への報告は必要ですから、必ず連絡を入れたうえで離席・外出しましょう。
テレワークで認められない外出・離席
次に、テレワーク中に許可されない外出や離席とはどのようなものか、理由と合わせて解説します。
買い物や私用での離席・外出
テレワーク中は、場所が違うだけでオフィス勤務と扱いは同じです。勤務時間中にオフィスから買い物に出かける人がいないのと同じで、テレワーク中に私的な買い物で外出することは許されません。
また友人の訪問や私的な電話など、私用での離席や外出も同様です。テレワークとはいっても勤務中に違いはありませんから、私的な用事はプライベートな時間に済ませましょう。
子どもの送迎のための離席・外出
会社の方針・規則にもよりますが、小さな子どもを保育園や学校に送迎する目的の離席・外出も、認められない可能性が高いです。どうしても送迎が必要な場合は、会社の許可を得て、出勤時間や勤務時間をずらしてもらいましょう。
若い女性が多い職場ではフレックスタイム制を導入し、子どもの送迎ができるように配慮しているところもあります。いずれにせよ、会社から許可を得たうえで離席・外出してください。
遊びでの離席・外出
社会人として当然の常識ですが、勤務時間中にゲームや趣味、遊びで離席・外出するのは職務専念義務違反です。テレワークならバレないだろうと考えていても、勤怠管理システムやログイン状況、作業状況ですぐに判明します。
遊びで離席・外出していたことがバレれば、人事評価や出社の義務付けなどの不利益も生じます。遊び目的でテレワーク中に離席・外出することは、絶対にやめましょう。
テレワークで認められない外出・離席をしたときのペナルティ
テレワーク中に認められない外出・離席した場合、どのようなペナルティがあるのか具体的に紹介します。
懲戒処分や減給処分を受ける
テレワークも勤務時間ですから、勝手に離席や外出をすれば、職務専念義務違反で懲戒処分や減給されることがあります。軽いものなら戒告という口頭での注意程度ですが、常習性が高いケースや程度が重いケースであれば、減給処分という判断もあり得ます。
直ちに解雇という処分にはなりませんが、あまりにさぼりが酷く、会社に損害を与えるようなら懲戒免職されることもあるので注意してください。
人事評価が下がる
無許可での離席・外出は、毎年行われる人事評価で大幅なマイナスになります。真面目に働いている従業員がいる中で、自分勝手な行動をしていれば、部署異動や雑用のような仕事ばかりさせられる可能性もあります。
特に将来的な昇進や昇給を意識している人にとっては、たった一度の無許可離席・外出がキャリアにも大きく影響するため十分注意してください。
もちろん、昇進や昇給に関心がないからといって、無許可の離席や外出をしてもいいわけではありません。
出社が義務付けられる可能性がある
テレワーク中に無断で離席・外出をした人や、注意されても繰り返し離席・外出をする人には、オフィスでの出勤を義務付けられる可能性があります。
テレワークで仕事ができない従業員と判断されれば、強制的に監視の目があるオフィスで働くことになるでしょう。テレワークは通勤時間の削減、ワークライフバランスの向上を目的とした働き方改革です。
しかし、適応できない人材であれば、会社にとっては負担になるということも知っておくべきです。
テレワーク、外出以外でもさぼりがバレる理由
テレワーク中、「自宅にいるならさぼってもバレない」と考える方もいるでしょう。しかし、意外にもテレワーク中のさぼりはバレやすいものです。なぜバレてしまうのか理由を解説します。
勤怠管理システムを導入している
テレワークを推進している会社では、従業員の勤怠や在席を管理するために、勤怠管理システムや端末管理ソフトウェアを導入することが多いです。
こうしたツールでできることは、従業員のパソコン起動時間・シャットアウト時間の把握、利用したアプリケーションの名前、閲覧したWebサイトなどの履歴です。
つまり、パソコンやスマホを使って何をしていたかが履歴に残り、さぼっていたかどうかが一瞬でわかります。従業員管理には必要なツールとしてよく導入されていますから、さぼってもバレないと考えるのは危険です。
アクセスログが確認できる
テレワークでは直接目が届かない分、管理者はどんな業務を行っているか、アクセスログで確認できるようになっています。監視というと語弊がありますが、従業員を円滑に管理するには必要な措置です。
さぼっていれば、アクセスログが長時間更新されていなかったり、空白の時間帯ができたりすることから、テレワークでのさぼりがバレてしまいます。
作業時間と進捗状況の比較
テレワークではないとしても、従業員の作業状況は逐一チェックされています。テレワークになると直接目で見られない分、想定される作業時間と進捗状況で比較されます。
想定した状況より著しく遅滞があれば、さぼっていたと疑われるかもしれません。作業が進んでいないのであれば、なぜ進まなかったのか説明できなければ、会社や上司から不信感を抱かれるでしょう。
連絡内容を把握していない
テレワーク中もチャットやメールで、常に部署内の情報共有は行われています。リアルタイムでのやりとりが進行するため、画面を見ていないとわからない情報もあります。
しかし、チャットやメールへの返信が遅かったり、伝えられた情報を把握していなかったりすることで、さぼりがバレるケースも少なくありません。
Webカメラへの映り込み
さぼりがバレる典型例として、仕事中にWebカメラにテレビ画面や雑誌など、何かが映り込んでバレるパターンがあります。オンライン会議で画面を共有する以外にも、Webカメラをオンにしておくよう要請される会社もあります。
また、画面だけでなく、端末のアプリケーションやゲームの音が入ってバレることもあります。
まとめ:テレワークは仕事しやすい環境を整えよう
テレワークはオフィスとは違い、自宅という集中しにくい環境での勤務になります。誘惑するものも多いですから、自ら集中しやすい環境を整えることも大切です。
仕事用の小部屋を作る、部屋を整理する、コワーキングスペースを利用するなど、仕事に集中しやすい環境を創出しましょう。
まとめ
テレワークのさぼりで外出すると危険
端末の位置情報から特定されさぼったことがばれてしまう、テレワーク中の無断外出では怪我をしても労災が下りない可能性もある
テレワークで認められる外出・離席
トイレのための離席・休憩時間内での離席、外出・許可を得ての離席、外出・緊急事態での離席、外出
テレワークで認められない外出・離席
買い物や私用での離席、外出・子どもの送迎のための離席、外出・遊びでの離席、外出
テレワークで認められない外出・離席をしたときのペナルティ
懲戒処分や減給処分を受ける・人事評価が下がる・出社が義務付けられる可能性がある
テレワーク、外出以外でもさぼりがバレる理由
勤怠管理システムを導入している・アクセスログが確認できる・作業時間と進捗状況の比較・連絡内容を把握していない・Webカメラへの映り込み/p>
テレワークはオフィスとは違い、自宅という集中しにくい環境での勤務。自ら集中しやすい環境を整えることも大切
テレワーク中のさぼりの問題点とは?