政府が推進する働き方改革や新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、在宅勤務を導入する企業が増加しています。通勤時間がかからず、育児なども両立しやすいと魅力あふれる在宅勤務では、業務効率が上がり効率的に仕事できる人がいる一方で、逆に業務効率が下がる人もいます。そこで在宅勤務によって業務効率が上がる人と下がる人にはどんな特徴があるのか知り、業務効率をアップさせる方法について見てみましょう。
在宅勤務で業務効率がアップする人・ダウンする人の特徴
在宅勤務で業務を効率的にこなせるようになる人と、そうではない人には、それぞれどんな特徴があるでしょうか?
アップする人
在宅勤務では上司や同僚と同じ空間で仕事をしないため、上司から業務について細かく指示を受けたり、同僚から頼まれごとをしたりすることが少なくなります。だからこそ、受け身ではなく自発的に仕事をできる人は、より仕事に集中して業務効率がアップしやすくなります。また自宅では、仕事をいつ始めて、いつ終わるかなど、すべて自分で管理することになるため、自己管理が得意な人も業務効率が向上すると考えられます。
ダウンする人
業務効率が下がりやすいのは、上司からの指示を待って仕事をするタイプの人でしょう。また、在宅勤務では上司や同僚とオンライン上でコミュニケーションをとる必要性が出てきますが、コミュニケーションを上手にとれない人は、周囲から仕事の状況が見えにくくなり、業務効率が落ちやすくなるでしょう。また、自己管理が苦手で、ついテレビやマンガを見始めるなど誘惑に弱い人は、仕事に集中しにくくなるでしょう。
在宅勤務で業務効率がダウンする原因
仕事のパフォーマンスが上がり、効率が良くなると言われている在宅勤務ですが、業務効率が下がることもあります。その理由について見てみましょう。
周囲とのコミュニケーションが少なくなる
在宅勤務では、オフィスで仕事しているときに比べて、どうしても上司や同僚とのコミュニケーションが少なくなります。すると、上司から部下への指示が一方通行になって誤解が生まれたり、同僚同士でコンタクトをとりにくくなります。オフィスで仕事をしていれば、周囲の仕事の状況が把握しやすく、従業員同士の雑談でチームワークが生まれるものですが、在宅勤務は難しいため、結果として業務効率が下がる可能性もあります。
業務に集中できない環境
オフィスは仕事するためのスペースで、仕事に集中しやすい環境が整えてられているもの。しかし自宅では、自分のデスクとチェアを整えた書斎があれば別ですが、家族がいればその生活音が聞こえるし、テレビやゲームなどの誘惑するものが身近にあるでしょう。すると、どうしても仕事に集中しにくくなってしまいます。
オンとオフの切り替えが難しい
在宅勤務の難しさに、オンとオフを切り替えにくいことがあります。通常なら、身支度を整えて出社することで、「仕事する時間」に切り替えて緊張感を持って仕事できます。しかし在宅勤務では身支度を整えたり、決められた時間に業務をスタートしたりせず、マイペースに仕事ができる場合もあるでしょう。するとオンとオフのメリハリがつかず、なかなか仕事に集中しにくくなってしまうと考えられます。
在宅勤務で業務効率をアップさせる方法
では、在宅勤務で効率よく仕事するためには、どんな方法を行えばいいでしょうか。
快適に仕事できるデスク・チェアを用意する
1日に7~8時間仕事し続けるためには、快適なデスクとチェアが必要不可欠です。高さがあわないデスクやありあわせのものを使い続けていた場合、肩こりがひどくなったり、腰やお尻が痛くなったりして、体に不調をきたすかもしれません。それでは体が気になって仕事に集中できなくなってしまいます。在宅勤務することになったら、できれば専用のデスクとチェアを用意できるといいでしょう。
快適に仕事できるインターネット環境を整える
在宅勤務にはインターネット通信が欠かせません。しかし通信状況が悪いと、途中で仕事が止まる、ないしは、オンラインミーティングが中断したりすることも考えられるでしょう。ストレスなく快適に、サクサクと仕事できるように、インターネット環境を整えることも大切です。
仕事モードになるルーティンを作る
仕事の時間も、プライベートの時間も、常に自宅にいることになるため、オンとオフを上手に切り替えられるようにすることが大事です。そこで、仕事モードに切り替えるための、自分なりのルーティンを作るのがおすすめです。「部屋着から仕事着に着替えて、業務をスタートする」「朝仕事する前に、必ずコーヒーを飲む」など、ルールを作ってオンとオフを切り替えるスイッチを作るようにしましょう。
1日のスケジュールを決める
オフィスでは出社時間と退社時間が決められていますが、在宅勤務では仕事状況に応じて勤務時間に自由度が増すことが多いでしょう。しかし、それに甘えてダラダラと仕事していては業務効率が下がる一方です。そのため、仕事を開始する時間と終わる時間、さらに午前中には何を行い、午後には何をするのか、1日の仕事のスケジュールを自分で立てます。午前中は比較的集中しやすい時間帯のため、集中力を要するタスクを行うなどするとなおいいでしょう。
業務の見える化を図る
在宅勤務では、周囲の人と積極的にコミュニケーションをとろうとすることをおすすめします。自分の仕事の進捗はどうなのか、業務上困っていることはないか、上司や同僚と共有していきましょう。お互いの進捗がわかるようになると、仕事が忙しい人を助けたり、上司に相談したりしやすくなります。
コミュニケーションを積極的にとる
またチーム内でもコミュニケーションを増やし、やり取りで行き違いが生まれたりしないように気を付けることが大切です。特にメールやチャットだけの会話では、小さな行き違いが生まれやすくなります。必要に応じて電話やオンラインミーティングを設定するなどの工夫が必要でしょう。
昼休みや休憩を入れる
在宅勤務では、仕事が忙しくなると、つい休憩をとらずに仕事に没頭しやすくなります。しかし業務の効率を上げるためには、適度な休憩も重要。昼休みや定期的な小休憩を入れて、休憩時間にはストレッチなど体を動かしてリフレッシュしましょう。
ひとつの業務に集中する
マルチタスクは仕事を行う上で必要なスキルの一つとしてよく知られています。マルチタスクは効率的に仕事ができると思われがちですが、業務と業務を何度も切り替える必要があり、あまり効率的とは言えません。複数のタスクを同時進行するより、ひとつの業務に集中していく方がおすすめです。
在宅勤務で業務効率化を目指そう
在宅勤務の業務効率化を行うなら、従業員側が自分でできることと、社内のコミュニケーションツールやタスクを共有するツールを整備するなど企業側ができることがあります。せっかくの在宅勤務という制度を活用するために、どんな工夫ができるか今一度考えてみてはいかがですか?
まとめ
在宅勤務で業務効率がアップする人
自発的に仕事をできる人、自己管理が得意な人
ダウンする人
上司からの指示を待って仕事をするタイプ、オンラインでのコミュニケーションが苦手なタイプ、自己管理が苦手なタイプ
在宅勤務で業務効率がダウンする原因
- ・周囲とのコミュニケーションが少なくなる
- ・業務に集中できない環境
- ・オンとオフの切り替えが難しい
在宅勤務で業務効率をアップさせる方法
- ・快適に仕事できるデスク・チェアを用意する
- ・快適に仕事できるインターネット環境を整える
- ・仕事モードになるルーティンを作る
- ・1日のスケジュールを決める
- ・業務の見える化を図る
- ・コミュニケーションを積極的にとる
- ・昼休みや休憩を入れる
- ・ひとつの業務に集中する