テレワークの導入時もしくは現在運用中の企業において、コミュニケーションに課題や不安を感じる場合があります。テレワークではオフィスに出社するときのように、対面でコミュニケーションが図れないため、さまざまな課題が生じることもあるでしょう。
今回はテレワークにおけるコミュニケーションの課題と解決法を解説します。
テレワークの普及
テレワークとは情報通信技術を活用して場所や時間にとらわれずに働くことです。「tele(離れた場所)」「work(働く)」を合わせた造語となります。
働く場所は自宅、カフェ、コワーキングスペース、サテライトオフィスなど多岐にわたります。近年ではテレワークの一種として、旅行先で働くワーケーションも取り入れられています。
テレワークを導入することで、通勤費などのコスト削減、事業継続性や人材の確保、生産性向上などのさまざまなメリットがあります。
さらに、コロナ禍の影響からテレワークを導入する企業も増えています。東京都の調査によると、東京都内の企業における2022年(令和4年)5月のテレワーク実施率が56.7%であることがわかりました。
※出典:テレワーク実施率調査結果をお知らせします!5月の調査結果
2021年(令和3年)に都内は緊急事態宣言が長期間にわたり出されていました。その期間ではテレワーク実施率は65%になった時期もあり、それと比較すると多少減ってはいますが、依然として高い水準で推移しています。
コロナ禍になるまでの2020年(令和2年)3月のテレワーク実施率が24%であり、たくさんの企業がテレワークを導入しているかがわかります。
テレワークが急速に広まったのは新型コロナウイルス感染症の影響が大きいですが、これまでテレワークを導入したくても踏み切れなかった企業にとっては追い風となったでしょう。
テレワークにおいてのコミュニケーションの課題
さまざまなメリットがあり、新しい働き方として浸透し始めたテレワークですが、コミュニケーションで課題があります。主な課題として3つの内容をご紹介します。
コミュニケーションが取りにくい
テレワークは同僚や上司、部下などと直接対面する機会が減少します。これまでのようにオフィスに出社していれば、何気ない会話から新たなアイデアが生まれたり、本音がポロリと出てくることもあったでしょう。
しかし、テレワークでは自分以外の従業員が何をしているのか把握しにくい側面があり、コミュニケーションを取るタイミングを見落としやすくなります。また、何かしらのツールなどを活用している場合であっても、すぐにレスポンスがあるとは限りません。
このようなコミュニケーション不足が積み重なると、意思疎通が図れなくなり組織の結束力に影響が出る可能性があります。
孤独感・孤立感を感じやすい
テレワークは基本的に1人で仕事を行います。先述したコミュニケーション不足が起こると、孤独感や孤立感を感じやすくなります。何か悩みがあってもすぐに相談できない状況では、不安が大きくなるものです。
結果的にモチベーションの低下が起こり、生産性が下がる可能性があります。さらには離職につながるケースも考えられます。それほど職場内のコミュニケーションは重要なのです。
ハラスメントが起きる場合がある
テレワークは各従業員の行動がわかりにくくなることから、その対策としてこまめな報告を求める場合があります。「チャットの返信は5分以内」「業務内容を時間単位で報告」など、過度な報告を義務化してしまうと、疲弊する従業員が出てくるでしょう。
また、自宅などでテレワークをしている従業員とテレビ会議をしたときに、子供の声やペットの鳴き声につけ込んで必要以上にプライベートの話をするケースも考えられます。なかにはそのような話をしたくない従業員もいます。
プライベートに関して行き過ぎた質問や意見はハラスメントとして問題になるため、ご注意ください。
テレワークにおいてのコミュニケーション以外の課題
テレワークではコミュニケーション以外にも課題が生じます。5つの内容についてご紹介します。
モチベーション管理が難しい
コミュニケーションにもつながる部分ですが、テレワークではモチベーションの管理に難しさがあります。オフィスと違って1人で仕事をすると、仕事に対して気持ちの面でオンとオフの切り替えが難しくなる場合もあるでしょう。
特に自宅で仕事をする場合は、難しさを感じることも考えられます。モチベーションは同僚や上司とのコミュニケーションで改善できる場合があるものの、テレワークでは円滑な会話ができないケースがあります。
長時間労働になる場合がある
意外に感じられるかもしれませんが、テレワークで長時間労働をしてしまう人がいます。これは先述した仕事とプライベートの切り替えの難しさも影響しているでしょう。「もう少し仕事を進めておこう」と取り組んでいると、知らず知らずのうちに長時間労働をしている場合があるのです。
勤怠管理がしにくい
テレワークは勤怠管理のしにくさが課題とされています。ツールの導入で改善されるケースはありますが、実際に仕事をしているのか休憩をしているのか、明確に可視化できないと正確に勤怠を把握できません。
また、単純な勤務時間の把握だけではなく、仕事の進捗がわからないと他の従業員との連携が難しくなります。
セキュリティ対策
テレワークではインターネットを活用します。ネットワークで各従業員がつながったりクラウド上にデータを保存したりするため、セキュリティ対策が求められます。
一部の従業員がセキュリティに関してノウハウを持っているだけではリスクを回避できないため、各従業員に一定のリテラシーが必要です。
ITリテラシーが求められる
セキュリティ対策も含め、テレワークではITリテラシーが必要です。テレワークでも問題なく稼働できるような環境整備、自社に適したITツールの選定など、幅広い知識が求められます。そのためには、どの従業員もツールやシステムを使えるようにする必要があります。
テレワークのコミュニケーション課題の解決法
テレワークのコミュニケーションの課題を解決する方法として、2つの内容をご紹介します。
ツールの導入・ルール策定
まずはコミュニケーションを図るためのツールを導入してください。コミュニケーションツールには、座席管理システム、WEB会議システム、チャットツール、電話、メールなどがあります。そのなかでも、さまざまな機能が搭載されている座席管理システムがおすすめです。
また、ツールを導入するだけではなく、利用時のルールを決めることが大事です。ルールを決めずに運用すると、偏った使い方につながる可能性があります。座席管理システムには、オンラインミーティングや会議などができる機能も実装されているため、活発な議論が必要なときに便利です。
定型的なやり取りやデータの送受信など、素早く行いたい内容であれば、座席管理システムの機能のひとつであるチャットツールで行ってください。さらに細かなルールとして、始業や終業、休憩の際にはどの機能を使うかなども決めておきましょう。
1on1ミーティング
従業員とのコミュニケーションをより密に取りたい場合は、1on1ミーティングを行いましょう。上司と部下など状況や目的に応じて1対1で行ってください。業務の進捗報告、仕事上の悩み、新しいアイデアなどその時々で話す内容を事前に決めておくと、スムーズな1on1ミーティングになります。
テレワークのコミュニケーション以外の課題解決法
テレワークのコミュニケーション以外の課題を解決したいときは、以下の2点に取り組んでみましょう。
業務状況の可視化
業務状況を可視化することは、コミュニケーション不足の改善に役立ちます。誰が何をしているのかをリアルタイムで確認できると、コミュニケーションのタイミングがわかるからです。
具体的な取り組みとしては、座席管理システムのスケジュール管理機能を利用することや、グループチャット機能の活用などがあります。各従業員の業務予定、活動状況をわかりやすく可視化してください。
セキュリティへの意識向上
セキュリティへの意識を向上させるには、研修などが効果的です。ただし、テレワーク導入時だけではなく、定期的に実施することが必要になります。繰り返し学ぶことでセキュリティへの意識が高まるからです。
機密情報の漏洩は企業に大きな損害を与えますので、セキュリティへの意識向上は非常に大事なことです。
テレワークのコミュニケーションの課題を改善しよう
働き方改革、感染症などの影響からテレワークを導入する際は、コミュニケーションへの意識を高く持ってください。コミュニケーションに課題があると、企業の生産性にも影響が出ます。さまざまな対策を実行してテレワークでのコミュニケーションを図りましょう。
YourDeskはテレワークに対応して座席管理・行動記録を実現するシステムです。従業員の行動を可視化、Googleカレンダーとの連携、使いやすい画面レイアウトなどが特徴です。テレワークにおける勤怠管理をご検討の場合は、ぜひご相談ください。
まとめ
テレワークの普及
「情報通信技術を活用して場所や時間にとらわれずに働くこと」であるテレワークは、通勤費などのコスト削減、事業継続性や人材の確保、生産性向上などのメリットがあり、コロナ禍の影響により2021年には65%の企業が実施するまでになった
テレワークにおいてのコミュニケーションの課題
- ・コミュニケーションが取りにくい
- ・孤独感・孤立感を感じやすい
- ・ハラスメントが起きる場合がある
テレワークにおいてのコミュニケーション以外の課題
- ・モチベーション管理が難しい
- ・長時間労働になる場合がある
- ・勤怠管理がしにくい
- ・セキュリティ対策
- ・ITリテラシーが求められる
テレワークのコミュニケーション課題の解決法
- ・ツールの導入・ルール策定
- ・1on1ミーティング
テレワークのコミュニケーション以外の課題解決法
- ・業務状況の可視化
- ・セキュリティへの意識向上