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アフターコロナにテレワークは意味があるのか

コロナ禍が落ち着いてきて、外出などが自由な世の中になってきました。同時に有名企業が完全テレワークを廃止したというニュースを耳にすることも増えました。アフターコロナの今、テレワークに意味はなくなったのでしょうか。ここではあらためてテレワークの意味について考えてみたいと思います。

テレワークの意味とは?期待できる効果をおさらい

非常事態宣言で一気に広まりましたが、テレワークはそもそも働き方改革を進めるうえで2010年代後半から推奨されてきました。テレ(離れて)ワーク(仕事)という意味のとおり、会社ではない場所で仕事をするという働き方による効果は多くあります。

従業員のワークライフバランスを確保しやすい

テレワークは自宅などから仕事を行うため、通勤時間が不要になります。そのためプライベートの時間を確保しやすく、ワークライフバランスの確保に繋がります。

コスト削減になる

オフィス面積や会社常設の設備を縮小できるため、運用コストの削減に繋がります。

DX化が進む

テレワークではオンラインの情報共有、資料閲覧、申請等の提出が必要になるため、今まで紙だったものをデジタル化する必要があり、結果としてDX化、業務効率化に繋がります。

事業継続性(BCP)の確保が可能

緊急事態宣言の時がそうだったように、感染症の流行や災害が発生した場合、従業員がそれぞれ安全な場所から通常通りの仕事を行うことができます。

人材確保に有利

テレワークは求職者にも人気の働き方ですし、離職予防にも繋がるため人材確保を有利にします。

持続可能な社会への貢献を望むことができる

育児、介護、療養、転居などに対応できることなどから、SDGs17の目標のうち5つが推進されます。

テレワークに意味がないと感じる理由

「それは理想で、テレワークに意味なんてないんじゃないか」そう感じる人がいるのも確かです。テレワークにはデメリットももちろんあります。

コミュニケーションが取りにくい

メールやチャットのみでのコミュニケーションは、どうしても対面には敵いません。顔を合わせて二言三言交わせばすむことなのに長文を打たねばならない、という場合もあります。またその状況から、孤独感を感じたりケア不足に悩んだり、メンタルに不調をきたす場合もあります。

時間の管理が難しい

プライベートの時間を取りやすいとはいっても、出社・退社の切り替えがないため、ずるずると仕事をしてしまったり、ちょっと休憩のつもりがだらだらと休んでしまったり、時間管理が難しいということもあります。勤怠は自己申告なので、管理する側にとって不安な場合もあります。

情報漏洩やパソコンのウィルス感染等セキュリティのリスクがある

個人の自宅やシェアオフィスからパソコンを使って作業することになると、堅牢なセキュリティ対策を施したオフィスに比べるとどうしても情報漏洩やウィルス感染のリスクが高まります。

業種によってはテレワークに向いていない

緊急事態宣言で自宅から仕事することにしたけれど、自分の仕事は出社しないとどうにもできない…そういう業種の方は、テレワークそのものに意味を感じられないでしょう。テレワークが可能なのは主にパソコンやスマートフォン、タブレットを活用する業種なので、場合によっては社内でテレワークが可能な人、不可能な人が発生し、従業員の不満に繋がることもあります。

これらのデメリットが実感としてある人は、テレワークに意味を感じられないかもしれません。

テレワークを意味あるものにするために

ものごとには必ずメリットとデメリットがあり、一面に注目して意味のあるなしを論じるのは難しいと言えます。ですが先に挙げた「意味がない」と思われる点はテレワークの課題と考えることができ、そうであるなら対策も考えられます。

個人個人ができること

  • コミュニケーションの工夫
    希薄になりがちなコミュニケーションには、チャットの使い方の工夫やオンライン会議ツールの活用を工夫しましょう。雑談時間を設けるのも一つの方法です。
  • 時間の管理の工夫
    アラームの設定などで、ずるずる仕事をしてしまったり、だらだら過ごしてしまう時間をなくす工夫をしましょう。時間を決めてストレッチをするといった自分なりのルーチンを設定するのも良い方法です。
  • セキュリティに関する知識をきちんと持つ
    今の自分の環境にはどういう危険性があるのか、何かあった場合の対処はどうするか、きちんと把握し意識の向上を心がけましょう。

会社としてすべきこと

  • コミュニケーションの工夫
    コミュニケーションツールは必須です。オンラインでの円滑なコミュニケーションのための設備投資、定期的な企画の提案・実施を行いましょう。会社主催でのオフラインのイベントもよいでしょう。
  • 時間の管理の工夫
    勤怠管理システムを導入し、従業員の勤務超過を察知したら指導を行うなど、長時間労働を予防しましょう。
  • セキュリティ対策
    セキュリティシステムの完備も必須です。さらに運用ルールの制定、定期的な研修の実施で従業員の意識の向上を図りましょう。
  • テレワーク・出社のハイブリッド運用を行う
    デメリットをカバーするために、出社日を設けるハイブリッド運用を実施する方法もあります。自社にふさわしいと思われる日数や人数などを検討し、ルールを設けて周知、運用しましょう。
  • 定期的な見直しを行う
    これらの対策を、定期的に見直し必要があれば改善しましょう。実施しているうちに見えてくる問題もあるので、従業員の意見も取り入れ、よりよくするための努力をしましょう。

テレワークを意味あるものにするのは一人ひとりの意識

テレワークは、まだそれが一般的ではない頃の、「家から出なくて楽」というようなふんわりとした印象のものでは既にありません。意味を見失った時には、今一度メリットを思い出してみてください。テレワークというものは「やり方」の一つであって、意味あるものにする、意味を持たせるのは一人ひとりの意識や努力であるといえるでしょう。

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