自宅用のインテリアはリラックスすることが前提に作られています。
テレワークを始めてから、自宅という場所は意外と「長時間集中して仕事をする」のに向いてないことに気づいた人は多いのではないでしょうか。
腰痛や肩こりが酷くなったり、うまく集中できなかったり、オフィスでの仕事中に気づかなかった不調が際立つことも。
ここでは、自宅でのテレワーク環境を見直してみましょう。
体への負荷を軽減!デスクと椅子を見直そう
オフィスファニチャー(オフィス家具)は長時間デスクに向かうことを前提に設計されているので、出社しての仕事は、思っている以上に体への負荷が少なくて済んでいました。コロナ禍で「やむを得ず」テレワークになった当初は自宅のデスクでどうにかしていた方は、今後もテレワークでの仕事が続くのであれば、オフィスのように「長時間座っても疲れないデスクと椅子」を選ぶようにした方がよいでしょう。健康上も作業効率上も、長い目で見て自分のためになります。
体に合ったデスクを選ぶにはまず椅子が重要です。今のデスクで疲れたり、集中しにくい場合は椅子が合っていない可能性が高いです。
長時間の座り作業で疲れてしまう主な原因は、
- ・体圧が偏る
- ・背骨が正しい形状になっていない
- ・サイズが合っていない
の3つです。
したがって、これらの不具合が出にくい椅子を選べばよいということになります。
デスクに向かった時に、自然と体重を分散し、正しい姿勢(背骨が正しいS状になる)を取りやすくしてくれ、無理せず座れるサイズであることを前提に探しましょう。体にフィットする背もたれや、座り心地の良いクッションや材質も重要ですので、座り方の癖や好みを踏まえて選びましょう。
次はデスクです。
椅子にまっすぐ腰かけて、足の裏がすべて床についている状態で机に手を置いたときに、座面(椅子の座る面)から手までが30cmほどの長さであり、肘が90度になるようなら理想的なサイズです。
人間工学では以下のような計算式で適切なデスクサイズを算出できます。
- 椅子の高さ (座面) =身長×1/4
- デスクの高さ = (身長×0.25−1) + ((身長×0.183) −1)
身長160cmの人なら、椅子(座面)の高さは39cm、デスクの高さは67.28cmになります。
また、スタンディングデスクを導入するのも一つの方法です。
集中しやすく、長時間同じ姿勢で座ることで発生する健康リスクの軽減に繋がるので、活用する人も多いタイプのデスクです。膝が弱い人には不向きだったり、じっくり作業する場合は座っていた方がよい場合もあるので、必要に応じて使い分けるとよいでしょう。高さを調節して座る→立つをフレキシブルに切り替えられるタイプのデスクもあります。
そして何より、気に入ったデザイン、使いやすいデザインのものを選びましょう。
デスクは部屋の中でも場所を取り、目につくものです。機能はよくても見た目が気に入らない、小物を置く場所がないといったちょっとした不具合は、長く使っているうちにストレスとして蓄積されていき、心身ともに健康なテレワークができなくなってしまいます。座り心地と愛せる見た目、両方を叶えるものを探すのは大変ですが、それだけに見つかった時の喜びはひとしおでしょう。
眼精疲労は万病のもと!デスク環境も見直すポイント
ピッタリのデスクと椅子が決まったら、デスク周りも見直してみましょう。
仕事で発生する不調の代表的なものは前に述べた肩こり、腰痛ですが、眼精疲労も深刻な問題です。眼精疲労は肩こりを重症化し、頭痛などを発症し、ひいては全身の不調へと繋がります。目はどうしても酷使してしまうので、少しでも負担を軽減できるよう工夫しましょう。
まずは目とディスプレイの距離をチェック。ディスプレイまでの適切な距離は40cm以上です。近すぎても遠すぎても目に負担はかかります。ノートパソコンやタブレットをデスクに平置きにして、うつむく形で長時間見るのも、首に頭の重みがかかり、いわゆるストレートネックになるので、パソコンスタンドなどを設置して距離と高さを調節しましょう。
デスク周りの照明も重要です。
オフィスの照明の明るさ(照度)は、労働安全衛生法で定められており、「一般的な事務作業」については 300 ルクス以上、「付随的な事務作業」については 150 ルクス以上であること、とされています。書類を書く、パソコンを使うといった、テレワークで一般的に行われる作業については「一般的な事務作業」に分類されますので、部屋の照明を300ルクス以上にしましょう。照度計アプリを使えば手軽に部屋の明るさを計測できるので一度調べてみるとよいでしょう。
改善としては、デスクライトで手元周辺を明るくするのが手っ取り早いですが、その場合は部屋全体の明るさと差が出すぎないか、目が疲れる光色ではないか(書類やパソコンを見る場合は昼光色が最適)、目に直接光が当たらない位置に設置できるかなどに注意して選びましょう。パソコンに取り付けて、直接ディスプレイを照らすモニタライトはデスクに場所を必要としないのでデスクが狭い場合にもおすすめです。
なお、手元だけ明るくし、デスクと周辺の明るさに差が出てしまうとよくありません。部屋全体が暗いようなら、部屋の照明も変えてみましょう。またテレワークを行う部屋に太陽光が入りすぎるのも、眼精疲労が蓄積する原因になります。程よく遮光してくれるカーテンやブラインドで太陽光を調節しましょう。
運動不足をどう解消する?デスク周りに置けるアイテム
テレワークは「通勤」という時間が存在しないため、プライベートの時間を取りやすく、満員電車などのストレスがないのでQOLを上げやすいのですが、運動不足になりやすい働き方です。駅までの距離だけでも、毎日歩いていれば立派な運動。それが全くなくなれば筋力も落ちてしまいます。テレワークで健康に過ごすためには、今まで以上に運動するよう心がけましょう。気分転換に適度な運動を行うようにすれば、集中力も高まり効率もアップします。
運動の習慣化が難しい人はアイテムの力を借りましょう。体幹トレーニングになるクッションを椅子に置いたり、足元に置けるタイプのエアロバイクで仕事をしながら運動、気分転換にバランスボールに座って作業、休憩がてらヨガマットの上でストレッチなど、自分が続けやすいものを選びましょう。また椅子に座ったままできる筋トレやストレッチの動画などもたくさんあるので、探してみるとよいでしょう。
せっかく自宅で仕事ができるなら香りにもこだわろう
オフィスという公共の場所での仕事とは違い、自由度が高いのがテレワーク。デスク周りを自分用にカスタマイズするなら、香りまでこだわってみましょう。アロマオイルは手軽に取り入れられ、効果も高いのでおすすめです。
アロマオイルは天然の植物オイルで作られたもので、「精油」や「エッセンシャルオイル」と呼ばれます。これを使った「芳香療法」が「アロマテラピー」で、心身に様々な作用をもたらします。ヨーロッパでは古くから医療として使われています。体の不調に効くものから、集中力をアップするものまでたくさんの効能があります。
最初は難しく考えず、サンプルを嗅いで見て「これ好きだな」と思ったものを選ぶとよいでしょう。仕事を始める時にはやる気が出る香りを、仕事終わりにはリラックス効果のある香りを選ぶなど、使い分けるのも楽しいです。これまであまり香りにこだわってこなかった男性が、やってみたら意外と高い効果が出てハマった…なんてこともあるようです。
ディフューザー(香りを拡散するもの)も、さっと噴射するものから電気や火で温めて使うものまで様々な種類があるので、使いやすいものを選びましょう。
快適なテレワーク空間で健康と作業の効率化を同時に手に入れよう
これからの働き方として、テレワークはより一般化していくと考えられます。
快適に作業できる場を整えることで、健康的な生活とともに作業効率の向上を手に入れることができるので、既にテレワークで働いている方も、これから始める方も、一度作業環境を見直してみてはいかがでしょうか。
まとめ
体への負荷を軽減!デスクと椅子を見直そう
テレワークで使っている椅子で
- ・体圧が偏る
- ・背骨が正しい形状になっていない
- ・サイズが合っていない
このようなことがあれば体に負担がかかっているので見直しが必要。
デスクは
椅子の高さ (座面) =身長×1/4
デスクの高さ = (身長×0.25−1) + ((身長×0.183) −1)
で選ぶ。
スタンディングデスクも選択肢の一つ。
自分に合い、デザインも気に入ったものを探そう
眼精疲労は万病のもと!デスク環境も見直すポイント
ディスプレイまでの適切な距離は40cm以上。照明は300ルクス以上。
運動不足をどう解消する?デスク周りに置けるアイテム
体幹トレーニングになるクッション、足元に置けるタイプのエアロバイク、バランスボールやヨガマットなど気軽に運動できるものをデスク周りに設置して運動不足を解消しよう
せっかく自宅で仕事ができるなら香りにもこだわろう
アロマオイルなどでデスク周りを好きな香りにするのもおすすめ
快適なテレワーク空間で健康と作業の効率化を同時に手に入れよう